フナヤオリジナルhttp://www.fs-funaya.jp/ の“撃龍竿U925”
あの九頭龍川、しかも鳴鹿堰堤カミで尺アユを抜くことが前提という謳い文句に、これしかない!と注文したわけです。
この竿を実際に使ってみての感想を思いつくまま書いてみます。
(1)期待通りの大パワー!
初めてこの竿を持った日、胸まで浸かりながらオトリを出した瞬間、一気に数m持っていかれ、竿が伸されました。
が、通常ならば下がる場面にも関わらず、腰を入れて踏ん張っただけで26pの背掛かりが抜けました。
↑この状態でしゃがんで踏ん張ると抜けるのです!
正直、竿の強さと抜きの速さに驚愕した訳ですが、この竿の真の能力はこんなものではありません。
生まれて初めて訪れた球磨川での初日の出来事。
尺アユがどれくらいのものかピンときていなかったので、掛かった尺アユを尺と思わず返し抜き。
さらにその尺アユ(30.8cm)をオトリに29cm超を返し抜き。
当然、いつも通りほとんど動かないまま抜いたのですが、1匹抜いただけで腕が痛くなったのは初めての経験。
一生の思い出となった球磨川最終日、平均29p超の入れ掛かりに遭遇。
そのシーンを間近で見ていた方が言うには、「この竿は見てて余裕がありますなぁ。何が掛かっても折れることはありまへん!仕掛けが丈夫なら身切れ以外のバラシはないですわ!」とのこと。
撃龍竿の大パワーは、寄せ取りでも威力を発揮します。
尺アユを寄せてタモに納めるまで、下る距離は他の釣り人の半分以下。
取るまでに要する時間も半分以下。
寄せ取りの場合、目の前まで寄せてから糸を掴むまでが案外大変なのですが、撃龍竿はとにかく仕事が早い印象です。
(2)フナヤ独特の先調子
上記のパワーを生み出す一因は、撃龍竿の調子にもあります。
おそらく、テストの場が九頭龍川なだけに、仕事が早いというのは何よりも重要だったのでしょう。
胴調子の竿に有りがちな、オトリが浮いてから掛かりアユが水面にへばりついて抜けてこない状況に陥ることはほとんどありません。
(稀にそんなアユもいますが、そんな個体は称賛に値すると思います)
撃龍竿は、例え300gのアユであろうとも、抜きは早く、そのことが身切れの少なさに繋がります。
また、(九頭龍返し風の)返し抜きも行ないやすく、無理して大きな動作になることもなく、コンパクトな動作で大アユを抜き返すことが可能です。
そういう意味で、掛けた後は他と比べると非常に楽な竿と言えるでしょう。
ただし、これらは掛けてから素早い対処をとることが大前提となります。
気を抜いていると、あっという間に伸されるのは間違いありません。
また、掛けるまでについては、
28p〜尺アユをオトリにする場合、普通の竿は極端に操作性が悪くなりますが、撃龍竿の(穂先〜穂持ちの)硬さが丁度よくなります。
絞り込みの激流においては、胴調子の竿なら10m竿が実質9.5m以下に曲がってしまうような大オモリが必要となりますが、撃龍竿は必要以上に穂先が曲がることもなく、腕を伸ばしたままオトリを引けば、長竿に近い沖を攻めることも可能です。
(3)感度
文句ナシ!
少なくとも、ダイワ・硬派剛荒瀬抜90SJと遜色ありません。
(4)370gという自重
重さの割に持ち重りが少ないと思います。
ただし、キャッチングするにはかなりの腕力が必要になります。
とはいえ、がまかつ・パワースペシャル荒瀬10mに比べると相当軽く感じます。
調子の違いなのでしょうね。
(5)最後に
先調子の剛竿ということは、ごまかしがききません。
手のブレがダイレクトにオトリに伝わるので、下手な操作をするとオトリがすぐに弱ってしまうどころか浮いてしまいます。
したがって、繊細なオトリ操作が要求されますが、竿が手に馴染むにつれ、ある程度解決できる問題かと思います。
また、それなりに重量があり、アユと一瞬のパワー勝負するための竿ですから釣り人側の体力が要求されます。
ちなみに2012シーズン、私はある日突然、8m竿から撃龍竿に持ち替えることになりました。
しかし最初の数日間、この竿を一日中持つことができませんでした。
このような体力面の問題がクリアできれば、繊細なオトリ操作によりピンスポットを狙うことが可能な竿なのです。
9.25mという長さは、ピンスポット狙いには短すぎず長すぎずでちょうどよいでしょう。
当然、大場所では届ききらない場面もありますが、その場合、より長竿に持ち替えるしかありません。
ということで、思いつくままに撃龍竿の特徴を述べてきました。
ここで補足があります。
私が持っている撃龍竿Uですが、つい最近までケラレの多さに悩まされました。
正確にいえば、硬派を使用していた頃から悩んでいたのです。
ハリに気を使うことはもちろん、アワセを入れたり、アタリがあってもしばらくそのままにしてみたり、と色々やったのですが決め手なし。
しかし2010年、試しにチューニングパーツを購入し、穂先・穂持ちをパワーダウンさせたところ、ケラレの悩みがほぼ解消されました。
これは要するに、大アユ竿はただ硬ければ良いのではない。
調子のバランスが重要だということなのでしょう。
以上のように、紆余曲折を経た私の大アユ竿ですが、
最終的に撃龍竿Uのチューニングパーツ仕様(=撃龍竿T)に落ち着きました。
もちろん、大アユ釣りには人それぞれのスタイルがあり、最適な竿は人それぞれかと思います。
そんな訳ですから、私のスタイルである大アユの数釣りにマッチするのはこれだ!ということで一連の記事の内容をご理解頂ければと思います。
とはいえ、200g平均のアユを瀬の芯から時速15〜20匹ペースで抜きまくる。
あるいは29pをオトリに尺アユをほとんど動かず返し抜き。
私がそんなひと時を経験することができたのは、撃龍竿があったからこそ。
こんな芸当ができる竿、そうそうないですよ(笑)
【関連する記事】
フナヤオリジナルはなじみがないもので、kikuさんの説明で良くわかりました^^
こういうネタこそ、大鮎カテゴリーの意味があると思います!なかなか大鮎について解説している媒体が少ないもので、各地方の名手のお話が聞けると言う事は大変ありがたい事です!
単なる釣果報告とは違い、
目的に合わせたブログ更新は時間も取り大変だと思います。
これからもマイペースな範囲で
是非いろいろ教えて下さいませ☆
当方ブログ少々お休みしますが、KIKUさん方々のブログは拝見させて頂きます。
この話の流れでは3大メーカーのものは出ないなと、ならば フ○ヤか? と予感がありましたが、
ドンピシャでした。しかも我が愛竿。
私は初代撃龍竿のユーザーですが、一昨年からソリッド替穂も欲しいなと思ってました。
そうですか、そんなに調子いいんですね!
初代を買った頃の九頭竜はもっと大鮎が掛かりましたが、最近は小型化が進んで、特殊な激流ポイントにしか大鮎が付いていません。だから楽しいとも言いますが。
長良等では撃龍竿の出番もすっかり減り、最近は急瀬程度の竿でお茶を濁して釣ってますが、こうやって改めてこの竿のパフォーマンスを紹介されると、またあの肩や腕が痺れる釣りをしてみようかなと思った次第です。
10号つけて28cmの囮引いてもびくともしないあの強さ、激流でこそ安定するあの性能、釣り人に隙や間合いを作らせないあの感度、お蔵入りさせておくのは惜しいですからね!
あ〜しかし、胴調子の竿でゆっくり取り込むのもアリでしょうね^^;; 最近体力落ちてますから〜。
ちょうど、僕も今季、フナヤさんの竿を購入したいと考えている所でタイムリーでした。ありがとうございます!!
結局悩んで、KIKUさんもnaoさんも持っていないのにしました!!
フナヤ竿3連出し!!なんて楽しそうなので、機会がありましたら、よろしくお願いします!!
北上川・盛岡エリア好調時にでもKIKUさんの撃龍抜きを見るの妄想してしまいました、スイマセン(汗)
今後ともよろしくお願い致します。
私はこれからの時期、毎週の釣行記を書くことで精いっぱいのはずですから、今回のような記事は忘れた頃にアップされるものとご理解下さい(笑)
ただし、確かにmatazaさんが仰られるように、大アユ釣りのウンチクが述べてある媒体は少なく、私も今のスタイルに落ち着くまで、数多くの失敗そして試行錯誤がありました。
それを考えると、自分ができる範囲で情報を公開する意義はあるかもしれませんね。
とはいえ、私は基本的に大アユ止まりの釣り人です。
他の大アユ師のみなさんの持論は、私も参考にさせて頂いているというのが実態です(汗)
フナヤオリジナルの竿は、各ブログ等でインプレが述べられてますが、撃龍竿について詳しいものはなかったような気がします。
まして、この竿でアユを掛けて曲がっている画像はほとんど見たことがありませんから、これらを意識して記事をアップさせて頂きました。
なお、私が用いているチューニングパーツとは、撃龍竿Tの穂先と穂持ちのセットのことです。
ですから、私のベストは撃龍竿Tということになります。
ちなみに私も撃龍竿T用のソリッド穂先を持ってますが、まだ使ったことはありません。
これは今後の課題ということになりますね。
私もきむさんのブログは以前から拝見させて頂いてました。
共通の知り合いもいるようですし、ホームフィールドもカブっているようですし、いずれどこかでご一緒できるとイイですね。
その際には、フナヤオリジナル3連出し?を期待しています。
といいますか、これってバリバステント3連結じゃないですけど、ブログネタにバッチリですよ!(爆)
すでに口頭でインプレを伺っておりますが、公開して頂いた写真はとても参考になります。「フナヤオリジナル」の「超硬〜超超硬」は九頭竜でチューニングしているため、他の河川でどのような使い方をされているのかいつも気にかけております。
九頭竜を超える激流は当然存在しますし、さらに特殊なフィールドもあるでしょう。そんな場所で「フナヤオリジナル」がどこまで通用するのか?特に大鮎竿は胴調子が主流のため、球磨川でのテストは私の悲願でもありました。九頭竜スタイルでそれを実現してくれたKIKUちゃんに本当に感謝しております。Thanks(v^-^v)♪
球磨川報告の中で「10bも作ってほしい」というリクエスト、今でも覚えています。あの当時は素材や工法的に難しいと思いましたが、重量が嵩む「四軸」を逆に利用すれば・・・、な〜んて最近考えています。とはいえ自重は400c前後になりますし、ニーズが少ないので企画倒れ間違いなしですね!(笑)
下がり始めたらキリがなかったり、一度下がると止まれなくなってしまうことは多いですよね〜。こんな場所で鮎と対峙したとき、一番嫌なのは時間切れによる身切れ。またケラレがほぼ解消した点についても、「U」より「T」を推している私の自信になります。ありがとうございました。m(._.)m
最後にこのブログに訪問された方々への補足です。写真では竿がほとんど曲がっていませんが、恵まれた体躯(重長大?)の漢が竿を絞っていることに留意してくださいませ。KIKUちゃんのパワーにはいつも脱帽です!
初めまして、フナヤHPの「感想」のkの方でしたか
私も、フナヤオリジナルの愛好家で流芯竿915まで
使用した経験がありますが、取扱が難しく現在は、SPLU94のみを所有しております。
kikuさんの球磨川体験談は、8月下旬から9月上旬頃のお話でしょうか?
大鮎がパワー全開で竿を絞る時期での出来事ではないかと想像して拝読させて頂きました。
私にはまだ経験のない大鮎のパワーではないかと思ってます。
どうしても結果だけを見てしまうと大鮎のパワーよりも大鮎の大きさを自慢しがちになってしまいますが、kikuさんの記事により、大鮎釣りには大鮎を楽しむ豪快な竿や豪快な入水があって、更には豪快な引抜きが伴ってこそ成立するものであって、単に大鮎の大きさだけを競うものではないと言うことを改めて認識させて頂きました。
激龍竿、私も必要と感じた時には手にしてみたい竿だと思いました。
撃は激流の激ではなく・・撃退の撃のでした。
”撃龍竿”です。
訂正します。
私も以前、フナヤの豪龍竿使っていて
もっと強い竿が欲しくて撃龍竿の購入を
考えましたが
豪竿過ぎて、たも受けができないので(-_-;)
あきらめました。
もっとパワーを付けないと撃龍竿は使いこなせない
と思った次第です♪
しかしKIKUさんの記事を見て撃龍竿欲しくなってきましたよ(笑)
是非とも実現させましょう!!
相互リンクもお願いしたいのですが、よろしいでしょうか??
小生も撃龍竿持っておりますが、乗りこなせておりません。大オモリ大好きなので、15号以上でもびくともしない穂先、いつかきっと役立ってくれると信じております。実はメタルを付けては蹴られてばかりで、今だ1匹も釣ってません。ソリッドに変えたら釣れるようになり、通常の穂先ではフロロ1号と相性が良いようで、これならヘッポコの野人でもなんとか乗りこなしております。今年こそ乗りこなせるようになりたいと思っております。
Iの先端はIIと比べて調子がいいんですね。これで下手な浮気をしないで済みそうで、助かります。
それとこのカテゴリにいらっしゃる方々は、撃龍竿のユーザーが多いことに驚きました。
その絡みで、もし宜しかったら教えて頂きたいのですが、ケラレが出た際のタックルは、メタル系でしょうか?
ハリや合わせの記述はされておりますが、ラインの話が気になります。
ちなみに私の撃龍竿I使用時のタックルは大抵0.6ナイロン通しです。撃龍竿の性能を引き出せてないかもしれませんが、ナイロンの感じが好きなので。
ケラレの頻度は、急瀬竿と大差ないと感じてました。
多数のコメント頂いているところ、大変申し訳ございませんが、ただ今釣行中につき、レスは週明けになりますのでよろしくお願いします。
ちなみに私、基本的に金曜日は職場からそのまま釣り場に向かい、日曜日の夜に帰宅します。
PCに向かうのは月曜日から木曜日メインになります。
ええっと、撃龍竿が球磨川で通用するか?という話になりますと、正直、分からないというのが私の返事になります。
あちらでは300g程度のアユは珍しくありません。
おそらく、400g超を抜くくらいでないと、球磨川の釣り人は撃龍竿を認めてくれないような気がします(汗)、
それと、撃龍竿と同じ操作性を10m竿で実現できるか?ということを考えると、かなり無理がありますよね。
そんな当たり前のことにようやく気付いた私としては、フナヤオリジナルの超硬10m竿は、撃龍竿と全く特徴の異なってかまわないと思う今日この頃です(苦笑)
>フナヤHPの「感想」のkの方でしたか
その通りです。
私の球磨川レポートと同時にアップされた尺鮎対決!さんのスーパーサイズにはホント度肝を抜かされましたよ(笑)
>kikuさんの球磨川体験談は、8月下旬から9月上旬頃のお話でしょうか?
↑ということで、時期は秋分の日前後となります。
あの時の球磨川アユはけっこう成熟が進んでいて、その度合いは本州とさほど変わらないような印象でした。
ですから、スピードよりもトルクが尋常ではなかった印象が強いです。
(1度だけ、とんでもないスピードで竿を伸していった個体もいましたが)
>単に大鮎の大きさだけを競うものではないと言うことを改めて認識させて頂きました。
そう言って頂けると大変嬉しいです。
記憶に残るアユ釣りは、全てが高次元にあってこそのものだと思います。
私の大アユ釣りのスタイルは、それを求めるものなのかもしれません。
>もっとパワーを付けないと撃龍竿は使いこなせないと思った次第です♪
私は特別パワーのある人間ではありませんよ。
当然、撃龍竿は返し抜き前提です。
キャッチングはほとんどやりません。
と言いますか、硬い竿でキャッチングは難しいですよね(汗)
>KIKUさんの記事を見て撃龍竿欲しくなってきましたよ(笑)
活躍するのが数年に1回でよろしければ、是非どうぞ。
と言いますか、大アユやる方はいざという時のために万全の備えをするわけですから、欲しいなら買うしかありませんよ!
>バリバステント3連結、パクりました(笑)
やっぱり!!(爆)
>相互リンクもお願いしたいのですが、よろしいでしょうか??
了解しました。
早速こちらもリンク張らせて頂きます。
>小生も撃龍竿持っておりますが、乗りこなせておりません。
これってまさに、私が記事に書いている「ごまかしがきかない」部分に起因していると思うのです。
豪快さと繊細さの両方が必要なのが大アユ釣り。
ホント奥が深いですよね。
それと、こんなことを書くのは問題かもしれませんが、撃龍竿は型ではなく数を求めるための竿のような気がします。
と言いますのも、抜きを追及するということは、効率性を追求するということ。
大事に1本取る性能を求めていないと思うのです。
とはいえ、尺アユも含めて数を求めるということですから、どれだけ欲張りな竿なんだ?とも思います(笑)